ゴルフトリップというからには、まず「いつ行くか」、「どんな体験をするか」、を決めたい。
そう考え始めたのは日本ではゴルフがオフシーズンに向かう晩秋、旅をするなら仕事が落ち着く翌年の4月。
4月といえば、ゴルファーにとって、そして我々ゴルフ業界で働く者にとって第2週は特別な週。
私はすぐにゴルファーの祭典「マスターズトーナメント(The Masters Tournament)」について調べ始めた。
ゴルフトーナメントには4大メジャーという、世界中のプロゴルファー(ゴルファー)が出場する事を目標とする大会がある。
「全英オープン」「全米オープン」「全米プロ」そして「マスターズ」の4大大会だ。
このタイトルを獲ったゴルファーは、その名を永遠にゴルフ史に刻まれ、まさにゴルファーとしての頂点を極めたと言える。
その中で最も憧れるタイトルは?と聞かれたらおそらく全てのゴルファーが「マスターズ」と答えるだろう。
マスターズは、球聖と呼ばれたゴルフ史を代表する伝説のゴルファー「ボビー・ジョーンズ」が創設したゴルフトーナメントで、アメリカのジョージア州のオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで毎年4月第2週の日曜日に最終日を迎えるように開催される。
なぜマスターズが特別なのか?それには幾つかの理由がある。
まずは出場できる選手は招待された名手(マスター)のみであるということ。
他のメジャートーナメントは出場人数が150名以上なのに対して、マスターズの出場選手数は100人弱と少ない。招待基準を満たした選手にのみ招待状が送られるため、第一線で活躍する有名選手であっても出場するのが難しい大会だ。
次に、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ(Augusta National Golf Club)という「特別なコース」。
4大メジャーの中で唯一、同一のコースで開催されるトーナメント。
緑のフェアウェイと空を映す鏡池、そして咲き誇る花々の華やかさから「世界で最も美しいコース」と言われているオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ。
マスターズが「ゴルフの祭典」とも形容されるのは、その舞台であるコースの美しさと、会員わずか300名、しかも1年のうち半分近くをこのトーナメントのためにメンテナンスすると言われる超プライベートコースでの開催ということが大きい。
そして、もっとも特別なのはこの大会の名誉だろう。
優勝者は高額な優勝賞金と、マスターズチャンピオンとしてメーカーとの契約料、トーナメントの招待料、コマーシャル等の出演料など全てのギャランティーが一気に跳ね上がり、その後のキャリアで得られる収入は「1000万ドル」以上になるとも言われている。
そんなお金以上に手に入れたいもの、それは優勝者に贈られるオーガスタ・ナショナル会員の証となるグリーン・ジャケット。オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブの名誉会員として歴史に名を刻むことこそ、ゴルファー最大の夢と言っても過言ではない。
世界中のゴルファーが憧れる、そんな特別な大会をこの目で見てみたい。
今回のゴルフトリップはマスターズに決めた。