日本の裏側のイギリス、セントアンドリュースをめざし、ひとりゴルフバッグを担いで飛行機に乗り、経由地では方向も場所もわからずウロウロ、予約や準備をせずに敢行した「ゴルフの原点を探す旅」は、18話目の今回が最後です。
実は諸説あって、St Andrewsが本当にゴルフ発祥の地だったかどうかは分かっていません。
ただ、今回体験してみて分かった事は、ここが「ゴルフの故郷」「ゴルフの聖地」と呼ばれているのは、600年前に「神が造った」と言われるこのSt. Andrews OLD courseは、唯一無二の素晴らしいコースで、そこには間違いなくゴルフを楽しんできた人々の歴史があり、そして今なおこのコースに集まる彼らからは純粋にゴルフが好きという気持ちが溢れていました。
この一人旅で一辺の心細さを感じる事もなくいられたのは、そんなゴルフを愛するゴルファー達が、あたりまえのように同じルールに従い、当然の如くラフに入ったボールを一緒に探し、素晴らしいプレーには賛辞を送り合い、そしてその賛辞に「Thank you」と応える。そういう一つ一つの行為がとても心地よく感じられたからだと思います。
一緒にオールドコースのプレーを心配してくれたトレバーさん、コースの横を散歩していた普通の人も声をかけてくれた、スコットランドの田舎に集まっていた「多国籍ゴルファーズ」のみんな、知らない外人を快く受け入れ一緒にプレーしてくれた同伴者のみんな。600年かけて根付いているカルチャー、世界共通のルールを決め楽しむスポーツ、そんな楽しむべき「ゴルフ」を、とても考えさせられたセントアンドリュースの旅でした。
きれいに人の手で整備されたコース。慣れてしまったカートでのプレー。距離を求めて交換を繰り返すクラブやシャフト。そして個人スポーツであるが故に疎かになってしまった同伴者への感謝の気持ち。利便やスコア追求の過程で大事なものを忘れていた気がしました。
ゴルフが巡り会わせてくれた素晴らしいゴルファーとの出会い、ゴルフが見せてくれたスコットランドの絶景、この素晴らしい経験をさせてくれたゴルフに感謝します。
いつまでも変わらない楽しさ。
この原点をいつまでも忘れないように。
I present this message to all the golfer.
takashi OYA