ゴルフのメンタルってどう鍛えると思いますか?
2月の「脳とココロのトレーニング」のヒントではメンタルをテーマにレッスンを開催しました。そのレッスンの内容と気づきをシェアします。
このヒントレッスンの背景
スポーツは「心・技・体」が大切と言われていますが、このゴルフに限っていうと昔から「技」の部分のみを追いかけてしまう全体的なトレンドがあると思います。私自身、これまでのレッスンではスイングスキルやターゲットオリエンテーションにフォーカスしたレッスンのみを開催していたと反省も踏まえて、今年は本格的に「心」と「体」の部分にも関連したレッスンをしていきたいと思うようになったのが開催のきっかけです。
フォーカスバンドとは?
レッスンでは『フォーカスバンド』という脳の活動状態をリアルタイムで観察できるデバイスを用いました。このデバイスによって計測できる脳波が2つあります。その一つはβ(ベータ)波という脳波です。この脳波は思考や何かに警戒、イライラしているときに出る脳波です。もうひとつはリラックスした状態の時に出るα(アルファ)波です。フォーカスバンドに搭載されたセンサーにより脳波測定が即座にスマートフォンのアプリケーション反映されて脳の活動を見ながら高い集中力を身につけるための方法を模索したりトレーニングができます。
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良いパフォーマンスを出すために理想的な脳の状態は、このフォーカスバンドでは「MUSHIN」(無心)であると言います。
そして、視点が安定している状態を「QUIET EYE」(静かな目)としています。
このアプリ上のアバターには左脳が優位、β(ベータ)波になると赤になります。
右脳優位、α(アルファ)波になると緑で表示されます。右脳は、1秒間に1100万もの情報処理、指令が可能になるのでアドレスした後は右脳を使っていることが理想的と言われています。
Mさんの例
レッスンではパッティングの最中の脳波を計測しました。Mさんはアドレスの前もスイング中も、左脳が優位の赤の表示が常に計測されました。ゴルフ中の心境を尋ねたところ、やはり常に考えながらゴルフをしている状態で、考えないでいることが難しいようでした。Mさんはスイングの再現性に問題を抱えており、このフォーカスバンドによってスイングの方法よりもショットまでのプロセス(プレー中の行動、プレショットルーティンやリチュアル)に原因があることが分かってきました。
Cさんの例
Cさんにフォーカスバンドを装着してパッティングを行ってもらったところ、常に右脳優位、α(アルファ)波が計測されました。Cさんの特徴としてスイングや打球が安定していることが特徴でその一方、プレー中のミスの修正が苦手であったりショットや番手などの判断ミスが多いことがありました。なのでまずはコースの特徴を捉え天気や風を警戒し、打つ距離を数字で判断しクラブ選択をするなどの思考的な要素が今後の課題となりました。
脳の使い分けと行動を変えることが大事
ゴルフをはじめとする球技はプレーの展開を読み、ひとつ先の未来を想像しながらパフォーマンスを発揮することが求められます。特にゴルフにおいては、自然やコース、同伴者、スコアやギャラリーなど心を動揺させる要素が多くあります。常に失敗してしまうかもしれないという不安に苛まれる自分との闘いです。心を迷わせる要素が多いからこそ自分がどんな状態であるのかを客観的に観察し傾向を掴むことはパフォーマンスを上げるために有用なことだと思います。
どんな対策をすべきかは思考の中に答えがあるのではなく、「行動」に答えがあると思っています。フォーカスバンドによって計測されるα波を右脳優位なβ波に変化させるには「呼吸」に注目することがポイントです。緊張したときは深呼吸と言われますが、呼吸をコントロールできるとそれがリラックスにつながり右脳優位な脳の活動を変えることができます。また連続する運動中、例えば歩いたり走ったりしている最中は思考が低下しやすいと言われています。このように念じるのではなく体を動かすことが結果、脳の活動に影響を与え、それが習慣となりここ一番でパフォーマンスが発揮できる自分になるのではないかと思います。
行動や体を変えるレッスンも開催しております。
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4月もこのメンタルについてのレッスンを開催するのでぜひご参加ください。
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-参考資料-
・J.デイのメジャー制覇、そのカギは「脳トレ」にあった!? 右脳優位のメンタルトレーニング法とは
https://www.golfnetwork.co.jp/news/detail/16540
・心理学用語の学習
https://psychologist.x0.com/terms/173.html