GEN-TENの寺嶋です。ブログの更新が久しぶりとなってしまいましたが、今回も皆さんのためになるコラムをご紹介します。
ご紹介するのはメンタルのお話です。ベストスコアが更新できず停滞を感じている方はブレークするきっかけになればと思います。
コーチングからみるマインドと結果のカラクリ
近年はコーチングという言葉が一般的になってきました。コーチングという言葉の定義は定まっておらず、さまざまな見解がありますが、私は「クライアントにマインドの使い方を教えること」と理解してます。マインドとは「考え方、思考」つまりゴルフにおいてはメンタルというイメージで問題ないかと思います。私のレッスンではスキル以外の他にプレー中の考え方や思考を学ぶメンタルコーチングの部分も大事にしています。
コーチングでは「コンフォートゾーン」という概念が取り上げられます。
コンフォートゾーンとは快適な空間という意味で、人は自分にとって快適な空間に留まろうとする習性があります。ホームコースや慣れたメンバーとプレーする際には快適な空間でプレーできるために自分の実力を発揮しやすくなります。しかし、スキルアップを目指すなど目標を達成しようと思ったときにこの習性が働いてしまうことから成長したい自分にストップをかけてしまうのです。
最初の9ホールのスコアが普段より数段良かったときに、今日はベストスコアを達成できるかも?!と思って臨んだ残りの9ホールが散々になってしまうようなラウンドは誰しも1度くらいは経験あるかと思います。そういったこともコンフォートゾーンで説明されることがあります。コーチングでは自分にブレーキをかけてしまう習性をマインドの使い方で解決することを進めていきます。
ゴルフの心理学について
心理学の分野ではチクセントミハイ博士の「フロー体験」がしばしば取り上げられます。彼は、科学者や芸術家など創造的に活動している人は共通して時間を忘れるような感覚であったり、何かに没頭できている心理状態の「フロー体験」を感じているということを述べています。このフロー体験は、スポーツでは「ゾーン」という言葉にも喩えられることがあり、この状態にいると高いパフォーマンスが発揮しやすいと言われています。
ゴルフにおいてのメンタル面での試みというのはもちろんこれまでも多くの学者が言及してきました。T.W.ガルウェイ博士はセルフ1(命令する自分)とセルフ2(実行する自分)という概念を持ち出してセルフ1が活発でない時ほどプレーに集中できるということを主張しました。
想像してみてください。皆さんはゴルフをしている際に自分への声かけを無意識にしていませんか?前述のコンフォートゾーンの話のように私たちは自分の実力が変わらないことを頑張ろうとします。それが心のざわめきとして現れ、達成したいことへの障害になりゾーンに入ること、つまりプレーに没頭することを自分自身で邪魔してる可能性があるのです。
解決策は「〜しないように」をやめること
それではコースで良いプレーをするためには、どんなマインドを持ったほうが良いか?答えは「〜しないように」という思考をやめることです。振り返ってみてください。OBにならないように、頭が動かないように、バックスイングは手で上げないように..など、◯◯しないことを頑張っていないでしょうか?「〜しないように」という思考はIQを下げることになりますので、失敗する確率を高めてしまいます。
私が薦めている方法としてはチェックポイントなどは1つだけに限定して、それを「私は◯◯する」という何かを実行するという決意の言葉がけに変えてもらうことです。ガルウェイ博士が言うように、セルフ1の「命令する自分」は「〜しないように」を頑張ろうとします。セルフ2のような「実行する自分」を大事にしてください。あくまでも例ですが、打つ前に「フィニッシュを最後まで”取る”」というような言葉です。自分への声かけ一つを工夫することでIQが上がり、望むようなパフォーマンスを発揮しやすくなります。
マインドを高めて良いゴルフに
今回はゴルフのメンタルについて触れていきました。聞き慣れないワードなど数多く出てきたと思います。ゴルフスイングも大事ですが、考え方の練習も同じく大事だと思います。暑さも落ち着いて、ラウンドの機会も増えてくると思いますがこの秋はぜひ成長を実感できるラウンドにしていきましょう。