ゴルフ プロのアプローチはなぜダフらないのか?vol.2

2020年4月14日 |


前回の記事ではアプローチでも「スイングプレーン」と「クラブヘッドの最下点」、「フェースの向き」をコントロールしていることがプロゴルファーや上級者に共通していることと述べました。(前回の記事「プロのアプローチはなぜダフらないのか?vol.1」

アプローチの中でこれら3つをコントロールするには、遠心力と体の動きの順番が関係してくると私は考えています。

ゴルフスイングと遠心力を理解する

スイング中のクラブに発生する遠心力とは

遠心力というキーワードは馴染みのある言葉だと思います。ゴルフにおける遠心力とはスイングプレーン上(カーブ局面)でクラブヘッド側に発生する力のことを指します。ゴルファーなら誰もが知っていることですがボールを遠くに飛ばすためにこの力を利用しヘッドスピードを上げることが必要になります。遠くに飛ばすショットに限らずパターのような小さなストロークでも(振り子運動においても)この遠心力を利用しています。

振り子運動だけでは不十分であることがパターとの違い

10ヤード以内のショットであるならまだしも20ヤード、30ヤードを打つには、支点を一点に止めクラブヘッドの自重だけを活かして打つ方法では難しくなります。アプローチではパターよりもさらに遠心力を利用してクラブスピードを上げる必要があるからです。この遠心力を利用するために重力と打ち手が発生させる力を理解する必要があります。

クラブヘッドを「アドレスした場所にクラブを戻す」という誤解

ショットにおけるアドバイスで「アドレスした場所にクラブを戻す」ということが言われますが、物体の動きでいうと間違いないでのですが重力という点を無視して「アドレスした場所にクラブを戻す」ということに必死になるとボールの手前をダフってしまうでしょう。当たり前ですがクラブヘッドはスイング中に地面に落下する力が働いています。この落下を抑えることがダフリのミスを避けることにつながっていきます。

(クラブをアドレスの位置に戻してくるいう形だけにこだわるとダフる可能性が高いです)

クラブをアドレスの位置した位置に戻すためにはストロークの小さなアプローチショットでもスイングプレーン上から外側に逸れようとする力と逆の方向へ力を加える必要があります。ゴルフにおけるこの逆の方向への力とはグリップエンドが指す方向になります。

カーブ局面でクラブヘッドが外側に引っ張られる力に対し反対側のグリップエンドの方向に力を発生させることによっていわゆるダフリを防ぐことができます。

アプローチショットにおけるスイングシーケンス

なぜアプローチでは頭を残さないのか?

プロゴルファーがアプローチを打っている様子をぜひチェックしてみてください。ロングゲームのショットと違う点があります。ストロークの大きさスタンスの幅ももちろんそうですがいわゆる頭を残して打っていない(打った後に目線が足元にない)ことが挙げられます。これが意味するのはスイング中の体の動く順番(スイングシーケンス)というのがロングゲームとショートゲームでは異なるということです。

(GOLF LOOPY – Golf Swing Sequence and Timing – Pitching & Chipping より参照、図はイメージとして作成。縦軸はローテーションスピード、横軸は時間(秒)青のラインはクラブヘッド、緑のラインは胸、赤いラインは腕、ピンクのラインは尻の動きを指しています。)

スイングシーケンスを分析した図を参照するとフルショットにおいてインパクト直後というのはクラブヘッド、腕、胸、お尻の動きは減速しています。それに対してアプローチショットの図を見るとクラブヘッド、腕のスピードは減速しているものの胸の動くスピードの減速率は明らかに少ないことがわかります。これは切り返しから胸の動きというのは止まっていることが少ないことを表していると言えます。

フルショットと違いは強くヒットさせない

アプローチショットにおいてプロゴルファーや上級者が頭を残して打っていないというのは、正確にいうと胸の正面がインパクトを向かえても動き続けるということを指しています。なぜそのような動作が必要かというとそれはボールへ強くヒットさせないためであり、クラブのスピードを等速に加速させるためであります。アプローチショットはフィネスショットと言われ柔らかく打つショットであるためこのようなスイングが必要になります。

まとめ

今回はアプローチにおいても遠心力を理解しておくことと、ロングゲームとのスイングシーケンスを違いについて述べました。「アドレスの位置にヘッドを戻そうとしない」、そして「頭を残してボールを打たない」ということを意識して練習してもらうとダフることが少なくなり、プロのアプローチに近づけると思っています。

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この記事を書いたのは

寺嶋 慶介

寺嶋 慶介

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