ゴルフを楽しむ方の中には、その目的を「健康のため」と位置付けている方も多いと思います。
自然の中で体を動かすゴルフは体に良さそうですが、カートの乗車や、ゆっくりとした歩行、さらに1,2秒で完了するスイングを見るとそんなに負荷が高いようには思えません…。
本当にゴルフって運動になっているの?体に良いの?という疑問について、今回は考えてみたいと思います。
アメリカの健康専門誌「The Journal of Sports Medicine and Physical Fitness」によると、中年男性のプレー中の平均心拍数は108(範囲92-121)拍/分でカロリーコストは4〜6 kcal / min、18ホール中の総エネルギー消費量は約960 kcal以上になったそうです。
カルボーネン法による計算式[目標心拍数=(220−年齢−安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数]だと、例えば50歳の男性にとっては運動強度40%程度の楽な運動とされますが、1時間のウォーキングが200-300kcalの消費と言われていますから、カートを使った場合(アメリカはカートのセルフプレーが主流なので)でも中高年の方がラクにカロリーを消費できる運動だと言えます。
武庫川女子大学健康スポーツ科学科の論文「乗用カート使用によるゴルフラウンドでの血圧,脈拍の変化」の論文によると、日本国内のゴルファーがカートを使った場合の平均心拍数は平均すると 107(18)拍/分で、カートを使わなかった場合のラウンド中の平均心拍数は 113拍/分だったそうです。
こうして見ると意外とカートと歩きの心拍数の差が少なく感じますね。健康のために歩くというのは、心拍数を上げて運動強度上げるというよりも、下肢の筋力を鍛えるという効果の方に影響しそうです。
また初心者ではやはり心拍数は高く、ラウンド経験が少ない方だと126 拍/分にもなると言われていますから、コースを訪れた緊張や、ボールを探し回ったり、傾斜を上り下りする疲労度はやはり相当なものですね(^^;
また実際にショットの際にはこれに10拍/分未満の上昇しか見られないことから、ゴルフは軽度の運動を長時間に渡り行うカロリー消費の多い運動と言えると思います。
また競技ゴルファーにとっての心拍数は長時間にわたって安定したショットを維持するための目安になります。
有酸素系(酸化機構)のエネルギーシステムを強化することで、緊張や疲労で起こる心拍数の上昇によるパフォーマンスの低下を抑えることになります。運動強度40%程度の低強度のトレーニングを週3回程度30分以上行うことで老廃物や疲労物質の代謝を促進してパフォーマンスを保つことに繋がりますから、参考にしてみてくださいね。
ゴルフをすれば健康になる!と思えば、調子が悪くてたくさん歩いた日のスコアも気にならなくなるかもしれませんよ(笑)