2019年のゴルフシーズンも本格化し、クラブの買い替えを悩んでいる方も多いと思います。
テレビや雑誌を見てプロの使用クラブに憧れたり、ゴルフショップにいくと話題のクラブに興味をもったりと、どうやってクラブを選んだら良いの?と思う方もいると思います。
先日テーラーメイドゴルフでツアープロのクラブフィッティングを担当する「真野義英さん」に、プロはどうやってクラブを選んでいるのか?というお話を聞いてきました。
真野さんはアメリカツアーにも視察に行っていて、日米のクラブフィッティングの違いについても聞けたので、その辺りも書いてみたいと思います。
目次
- 1 ーまず、クラブフィッティングでもっとも重視される項目は何ですか?
- 2 ーそれは得意とか不得意で決めるんじゃないですね?
- 3 ー落下角度45度だと私の6番アイアンくらいですね…。ツアーの選手はそのくらい高いボールを200ヤード以上の距離で打っているということですね。
- 4 ー200ヤード以上で6割って…やっぱりすごいですね。ちなみに落下角度はどうやって測るんですか?
- 5 ーなるほど。ようするに落下角度によってアイアンの本数や、ハイブリッドにするかフェアウェイウッドにするかとか決まるので、それで自ずとクラブの構成が決まってくるということですね。
- 6 ー最後に日米の選手でクラブ選びの違いみたいなものがあったら教えて欲しいんですけど。
- 7 ーありがとうございました。私も今回のお話を聞いてクラブセッティングを見直したいと思います(^^;
ーまず、クラブフィッティングでもっとも重視される項目は何ですか?
クラブフィッティングはクラブの目的別によって変わります。例えばドライバーだったら飛距離、アイアンやハイブリッドは落下角度、ウェッジはスピン量という具合です。
ただ、それはシャフトやヘッドの組み合わせによる微調整という感じで、そもそもウッドを何本入れるか?ウェッジを何本にするか?という「クラブの構成」を最初に考えなくはいけません。
ーそれは得意とか不得意で決めるんじゃないですね?
そういう人もいますが、今多くのツアープレイヤーが重視しているのは「落下角度」です。
文字通り「ボールがグリーンに落下してくる時の角度」なんですが、PGAツアーのセッティングのように硬くて速いグリーンでは最低でも45度、セッティングによっては50度の落下角度がないとグリーンにキャリーさせたボールは止まらないので、選手はグリーンを狙う距離でこの角度を出せるようにまずクラブ構成を考えていきます。
ー落下角度45度だと私の6番アイアンくらいですね…。ツアーの選手はそのくらい高いボールを200ヤード以上の距離で打っているということですね。
そうですね。ちなみに45度はPGA選手だと5ウッドとかハイブリッドの落下角度ですね(笑)
例えばPGAのトップ選手のデータを見ると、175-200ヤードでも7割以上の確率でグリーンオンしてきます。
(出典:https://www.pgatour.com)
200ヤード以上でも6割以上なので、上位を狙うプレーヤーにとってはこの距離でいかにグリーンに乗せてバーディチャンスを作るかというのが重要なんですね。
(出典:https://www.pgatour.com)
ー200ヤード以上で6割って…やっぱりすごいですね。ちなみに落下角度はどうやって測るんですか?
これはTrackmanとか、GC4などの弾道計測器を使って測るんですけど、例えば3番アイアンを入れるか、それともハイブリッドを入れるか迷ったときに落下角度やスピン量を測って決めたりします。
(出典:https://blog.trackmangolf.com)
例えば185ヤードだとPGAの選手の6番アイアンくらいの距離ですが、トップの選手だと50度以上はあります。
4番アイアンでも落下角度が48度以上くあるので、200ヤード以上の距離でもグリーンの乗せられるんですよ。
ーなるほど。ようするに落下角度によってアイアンの本数や、ハイブリッドにするかフェアウェイウッドにするかとか決まるので、それで自ずとクラブの構成が決まってくるということですね。
そうです。そうするとグリーンに乗せるクラブの本数が決まってくるので、残りウェッジの本数も決まってクラブの構成が決まります。
ー最後に日米の選手でクラブ選びの違いみたいなものがあったら教えて欲しいんですけど。
PGAの選手は非常に合理的で、良い数値が出たら「じゃ、これで。」みたいな感じですね。見た目とか打感とかの希望を伝えてくる人は少ないです。
ドライバーのフィッティングでも多少曲がっても飛ぶセッティングを好みますね。
日本選手はどちらかというと数値と同じくらいにフィーリングを気にする人が多いです。見た目とか打感とか、そういう繊細さが日本の物作りを発展させてるんだなーと思いますね。
ーありがとうございました。私も今回のお話を聞いてクラブセッティングを見直したいと思います(^^;
今回のコラム如何でしたか?
最後にこの話を聞いて、私もクラブセッティングを変えてみましたので少し紹介したいと思います。
アラフォーアスリートゴルファーのクラブセッティング2019バージョンです(笑)
Driver: TaylorMade M-GLOIRE (10.5 degrees)
Shaft: Tour AD DI60-X
ドライバーのヘッドスピードは47m/s前後と速い方ではないなので、アスリートモデルではなく高弾道とドローバイアスがウリのM-Gloireを使っています。
少し硬めのシャフトですが、思いっきり振っても曲がる方向が常にドローボールで一定しているので、フェアウェイキープ率がグッと上がりました。
3-wood: TaylorMade M4 (15 degrees)
Shaft: Mitsubishi Diamana BF70-S
5-wood: TaylorMade M4 (18 degrees)
Shaft: Mitsubishi Diamana B70-S
フェアウェイウッドは2018モデルのM4を使用しています。
ボールが上がるので落下角度を出せることと、2019モデルのM5やM6のフェアウェイウッドに搭載されているツイストフェースは曲がらなくていいのですが、逆にいうと曲げにくいのでコントロール性を重視して今のところこのセッティングです。シャフトは#5の方が硬さが出るように調整しています。
4 Iron: TaylorMade P-790 irons (#4)
Shafts: Tour AD AD95-S
私のヘッドスピードでロングアイアンの落下角度を考えるとGAPRを入れたいところなんですが、操作性も考えて中空アイアンのP-790をハイブリッド代わりに使っています。
カーボンシャフトなので距離も高さも出しやすいセッティングです。
Irons: TaylorMade P-760 irons (#5-#P)
Shafts: Nippon shaft Modus Tour 105-S
アイアンは以前のセッティングに比べるとかなり落下角度を重視したセッティングにしました。
以前測ったら5番アイアンの落下角度が42-3度前後だったので、5番から7番までが中空構造になっているP-760に変更しました。低重心なのでボールが上がりやすいのと、シャフトも20g以上軽くしたこともあってとても楽にボールが上げられるようになりました。やはり実感として高いボールだとグリーンにボールが止まってグリーンオンの確率も上がります。
Wedges: TaylorMade Milled Grind Raw (51-56-60 degrees)
Shafts: Nippon shaft Modus Tour 125-S
アプローチが苦手なのでウェッジ3本体制で克服する作戦ですw。
アイアンに比べてヘッド重量が重いので、シャフトも合わせて重くしています。
Putter: TaylorMade Spider TOUR BLACK
DJに憧れてグリップまで同じものを入れたパターです(^^;
さて、クラブセッティングの話を聞いてから思ったことは、今まで自分もけっこうボールが上がりにくいクラブを選んでいたなーと思いました。
距離は出ても、実際にスコアを作るにはグリーンオンの数を増やさなくてはいけないので、今回ドライバーを寛容性が高いものに見直したり、アイアンも低重心設計のものに軽いシャフトに変えたりしたら、グリーンオンの確率が上がって一気にゴルフがラクになってスコアも良くなりました。
技術も大切ですが、クラブセッティングでスコアアップを目指すこともできると思うので、ぜひ皆さんも参考にしてみてくださいね。