ゴルフエンジニアリングセミナー 数値と感覚を融合させる

2018年9月7日 |

今回は世界最先端のゴルフサイエンスを学ぶ「ゴルフエンジニアリング」のワークショップに参加してきたので、ゴルフのトレンドについてやレベルアップに向けてトッププロがどの様な機器を使っているか?どの様なデータを活用しているのかなどについて皆様にお伝えしていきます。

当日のワークショップでは、ゴルフコーチ、クラブフィッター、トレーナーなど約30名の方が参加されていました。

(今回のワークショップで講師を担当したTha Golf labのLiam Mucklow氏)

2日間にわたって主に以下の5つの項目についてみっちり勉強を行いました。
①人体について
②映像技術
③弾道測定器/インパクト解析
④地面反力と人との関係
⑤3次元動作解析

今回のゴルフエンジニアリングでは、数学と科学を用いてスイングをより効率的に、より良いものにしていく事をテーマとして行われました。
世界の有名選手が導入している測定機器ということもあり、テンションが常にマックスでした。笑

その中でも大きく学んだ事についてお伝えしたいと思います。

①測定機によってどの様に測られた数値なのかをよく知る必要がある
今回弾道測定器では、GC Quad,GC2などを使いスイングデータを取っていきました。
これは主に超高速カメラでインパクト前後を3次元的に撮影し、撮影データーから弾道を測定していきます。




一方、プロ・アマチュアゴルファー問わず、多くの方が利用されているトラックマンやフライトスコープといった測定器は、ターゲットとボールを結んだ後方線上からレーダーを照射して、波形データーを計算して数値を計算しています。

要するに、同じスイングを測定した際に、弾道測定器により導かれる数値などの結果が変わってきます。
どちらの機器が良いという事ではなく、それぞれの機器がどの様に測られた数値であるかを知る必要があるということです。
何故測定器によって数値が変わってくるのか?疑問をお持ちの方は是非コーチに聞いてくださいね(^^)
今回9月に行われるイベントで使用するのはGC Quadですので、インパクト付近でのデータをより正確に測定する事が出来ます。
https://www.gen-ten.jp/event/18493/

②感覚と測定結果での大きなギャップ
2日間のワークショップの中で一番私自身が楽しみにしいていたGEARSとSwingCatalystでの講義では感覚と数値とのギャップを大きく感じました。

①SwingCatalystとは?
SwingCatalystでは、アドレスからスイングに至るまでの足から地面に伝わる縦方向(一方向)の圧力(pressure)を測定する機器です。
アドレス時に何パーセント左足に圧力がかかっているのか?などの計測が瞬時に行われ表示されます。

スイング中、足を踏ん張る事や体重移動など皆さん雑誌やレッスンなどで聞かれるワードだと思いますが、見た目や感覚だけでは数値化出来ない部分です。
また今回測定した圧力(pressure)というのも、見た目では数値を導き出す事は出来きません。
感覚では分からない部分を数値化してすぐ見れるのは非常に良いと思いました。

この SwingCatalyst を使い、お客様から「クラブスピードを上げたい!」との要望が多いのでそのヒントを見つける為に、私自身で圧力を利用したスピードアップの方法を実験的に行いました。

改善前

7番アイアンで計測しましたが、84.5mphだったクラブスピードが94.8mphまで上がり、約10mphほどクラブスピードの変化がありました。
初めて圧力と体重移動との違いを感じる事が出来、また自分ではこんな風に振っているつもりはないと思っていても、数値で測ると感覚との違いがあり、非常にそのギャップが面白かったです。
ちなみに、圧力(pressure)バランスだけを見るとJustin Rose選手と同じ数値でした。笑

改善後

圧力の使い方でより効率よく振れる方法が見つかりました。

②GEARSについて
GEARSは、アドレスからフォローするまでのクラブの動きとスイングフォームを3次元で計測、解析するシステムです。
肩の角度・腰の角度・クラブフェースの角度・シャフトのしなりなど、スイングの全てが分かってしまいます。笑
まさに、MRIのゴルフバージョンです。

私自身実際に使用しましたが、テクノロジーの進化に驚きました。笑
自分のスイングがリアルタイムでスクリーンに映し出されるため、ごまかしが効きません。
プロゴルファーとの比較を行い、自分自身の感覚とのギャップを埋めていく作業が出来ます。




今回の2日間では、現在活躍している世界の選手や北米のコーチがどういった情報を使用し、活用しているかなど沢山の情報を聞くことが出来ました。

最後に

私自身がコーチングで大切にしている事は「目標達成する為に何が一番初めに簡単に取り組みやすいのか?」をお客様にお伝えしている事です。
個々によって身体的特徴も違いますし、ゴルフ歴も異なります。また使用クラブやゴルフ環境も人それぞれです。
その中で、プロゴルファーがこの様に振っているから取り入れた方が良い!や、自分自身の感覚の主観的意見だけで、お客様に伝えるというのは非常に危険だと思っています。

その為にも今回の2日間のワークショップを通じて私自身の感覚とギャップを埋める事が出来ましたし、どの様にクラブや体を動かしていけば目標達成に向けてのヒントになるかなど沢山の発見がありました。
まさに、科学的根拠と共に客観的な数値やスイングの流れを知る事により、より一層自信を持ってお客様にお伝えする事が出来るので、参加させて頂けて本当に良かったです。

一番大事な事は数値に近づける事が目標ではなく、ご自身の身体的特徴やクラブ、目標スコアに応じたスイングを完成させていく事にあると思います。その為には、客観的に分析出来るコーチにプログラムをしっかり作成してもらうことが大切になります。
どのプレイヤーもそうですが、スイング中に「2度フェースをクローズ」にして欲しいと言われて出来る人はほとんどいません。
ゴールに対して正しい根拠があれば、その根拠に近づく為の感覚的部分をより磨いていく事が一番だと思います。
測定器の数値とご自身の感覚を融合させる事により、より楽しくレベルアップ出来ます。

しっかりとお客様とのコミュニケーションをとり、ご自身がどうなりたいか?何を成し遂げたいのか?に対してしっかり向き合い、よりシンプルに的確にアドバイスが出来るコーチングを目指していきたと思います。

また、今回講師を務めて頂いたコーチ陣の皆様本当にありがとうございました。

このセミナーを企画し、一部資料の掲載を許可していただきました「Enjoy Golf & Sports Japan」の皆様に改めて感謝を申し上げます。
今後も最新のコーチング情報をスタッフで共有していき、皆様にとって有意義なレッスンが出来るように役立てていきたいと思います。
☆今回の最新の弾道測定器GC4を使用したキャンプを開催致します!
コースさながらの環境で弾道測定器を使用する事により、よりリアルに弾道の変化を感じれると思います。
是非チェックしてみて下さいね。
https://www.gen-ten.jp/event/18493/

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この記事を書いたのは

日下部 直太

日下部 直太

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