さて、前回の「2018年10月26日発売予定 M GLOIRE Driver」の紹介に続き、今回はテーラーメイドのハイブリッド(ユーティリティ)クラブでグローバルモデルとして発表されたGAPR(ギャッパー)の紹介です。
ドライバーやフェアウェイウッドの高性能化に比ると、アイアンは飛距離だけではなく操作性も重要視されるため、どうしてもウッドとアイアンの距離のギャップ(差)が大きくなってきます。
一昔前はハイブリッドというとプロでも飛ばない選手や、女子プロ、アマチュア向けのクラブというイメージありましたが、最近では飛ばし屋と呼ばれるプロもウッドとアイアンの差を埋めるためにハイブリッドクラブを積極的に使うようになりました。そんなハイブリッドクラブの次世代機種として登場したのが「GAPR(ギャッパー)」です。
■GAPRの特徴
一般的にこうしたハイブリッドクラブというのは、ロフトが少ないロングアイアンでも「距離」と「高さ」を両立し、長い距離からでもグリーンを狙うことを目的としています。
(MIDの#3)
キャリー(ボールが空中を飛んでいる距離)を出すためには、低重心設計になりますが、最近では多くのハイブリッドクラブで中空構造(ヘッド内部に空洞があるウッドのような構造)を採用しています。
低重心設計:
クラブヘッドの質量中心(重心=芯)が、地面からどのくらいの高さにあるかを示す値で、この位置が低ければ低いほど、ボールが上がりやすく、低スピンになるため距離が出やすくなります。低重心設計とは、重心位置を下げるためにヘッド下部に重量を配置したデザインをいう。
テーラーメイドのGAPRは中空構造で設計されたヘッド内の空洞部分に「SPEEDFOAM(スピードフォーム)」という軽量の泡のような充填剤を採用していることにあります。
「SPEEDFOAM(スピードフォーム)」は触ると非常に柔らかい素材であることが分かります。
中空構造のヘッド内部に充填剤を入れるメリットは大きく2つあります。1つ目はフェースの厚さが薄くできることです。フェースは薄ければ薄いほど反発が高くなりボールスピードが得やすくなります。一方でフェースを薄くするとフェースがインパクトの衝撃でヒビや割れが入るなどの耐久性の問題が出てきます。充填剤をヘッド内部にいれることで、耐久性も確保しつつフェースを極限まで薄くすることが可能になります。
2つ目は打感の柔らかさです。充填剤には振動吸収の効果があり、芯を外して打ってもまるで芯で打ったような打感が残ります。そしてこれはそのまま結果にも影響します。芯を外して打つと硬い打感になり抵抗を感じますが、その抵抗が少ないため寛容性が高い易しいクラブになります。
スペックはHi,MID LOWの3種類のヘッドから選ぶことができます。
2018年の全英オープンではタイガーウッズ選手も、松山英樹選手も、このGAPRの2番をバッグに入れました。
私も同じLOWの2番アイアンを打ってみましたが、まったく難しさは感じませんでした。同じような構造のP790アイアンよりも高さも出てミスヒットにも強く易しく感じました。
(LOの#2)
3機種全て打ちましたが、ドライバーヘッドスピードが47m/sの私で、#3#4だとLOWが操作性もよく打ちやすいと感じました。シャフトは重量のあるカーボンシャフト(この日は95gのカーボンで打ちました)が一番しっくりきました。
■こんな人に向いています
・ウッドは飛ぶけど、アイアンが飛ばないゴルファー
・175Yから200Yの距離が苦手な男性ゴルファー
・平均スコア90以下の上級者ゴルファー
・プロモデルに憧れるゴルファー
に向いていると思います。
GAPR自体は基本的に易しいクラブなのでスペックを選べば誰でも使えますが、ハイブリッドクラブは長距離でショットメイクするクラブなので、長距離でも狙いたい上級者をターゲットの想定としてみました。
日本ではカスタム専用モデルとなるため、テーラーメイドのオンラインストアから注文することができます。
もちろんGEN-TENでも注文を承っていますので、コーチのアドバイスのもとにシャフトやグリップなどを組み合わせて最適なモデルを選ぶといいですよ(^^)