今回のテーマはゴルフのゲーム方式についてです。
私たちはコースに到着するとスコアを記録するためのスコアカードを手に取り、1ホールごとにスコアを付けて18ホールの合計打数を記録する「ストロークプレー」をしていますが、実はゴルフの歴史が始まった初期の頃は「パー」という概念さえ存在せず、2名のゴルファーが1ホールごとにそのホール内の打数によって勝ち負けを決めて18ホールを戦う「マッチプレー」方式が主流でした。
(世界最古のゴルフコースSt Andrewsも当初はマッチプレーが主流だったんですね)
その単純明快なルールと駆け引きの面白さが功を奏してゴルフは多くの人に愛されるスポーツに発展していきますが、やがて人気とともに競技人口が多くなり試合で優勝者を決めるまでに18ホールの試合を何度も繰り返さなければいけない「マッチプレー」では決着までに時間がかかりすぎることから、現在のようなストロークプレーが導入されるようになったと言われています。
この「マッチプレー」のゲーム方式は先日行われたイベント「Team Trophy」でも採用されていますが、とてもエキサイティングで面白いです(^^)
実際に私もプレーした経験からマッチプレーの面白さを感じるのは、
1.)1ホールで大叩きをしても1ホールの負けで済むので気持ちの切り替えができ最後まで楽しめる。
2.)ホールごとに決着がついたら次のホールに移行するのでプレーの進行が早くテンポが良い。
3.)相手との駆け引きがあり、ゲームとして面白い。
が挙げられると思います。さらに技量に差がある相手とでもホールごとに設定されたインデックスに基づきハンディキャップも使えるので誰とでもマッチができます。
ホールの横に記載してあるハンディキャップは実はマッチプレーに使うためのものです
1人黙々とスコアを数える「ストロークプレー」よりも、より相手に意識が向くので仲を深めるコミュニケーションにも向いているのではないかと思います(^^)
このほかに「ステーブルフォード」も海外のアマチュア競技でよく採用されるゲーム方式です。
各ホールのスコアによってポイントが与えられ、獲得した合計ポイントで争われる競技方式で、例えばイーグル(5点)、バーディ(2点)、パー(0点)、ボギー(-1点)ダブルボギー(-2点)などとポイントが決められて、その合計獲得ポイントが多い者が勝者となります。
画像をクリックするとステーブルフォードの記事にリンクします
こちらもマッチプレーと同様に、ペナルティや思わぬトラブルで1ホールで大叩きしてしまってもダブルボギー以上は一律同じポイントとなるので気持ちを切り替えて次のホールに臨むことができますし、ストロークプレーではリスクを避けて距離を合わせてしまうパッティングも強気に狙えるので普段とは違う攻撃的なゴルフを楽しむ事ができます。
オーストラリアにいたジュニアの頃にはスクランブル(4人が打って最もいいボールを採用するゲーム方式)のステーブルフォードの競技に出た時は、かつてないほどガンガン攻めてその後の自分のプレースタイルに影響を与えるきっかけにもなりました。
「ストロークプレー」は生まれた背景などからも分かるように、どちらかと言えばミスの少ない上級者向けのゲーム方式で、プレーヤーにとってはプレッシャーやストレスがかかりやすく、さらにどんなトラブルやミスに陥っても完全にホールアウトしないとスコアが確定しないためにプレー時間も長くなってしまいます。
カジュアルにゴルフを楽しみたいアマチュアゴルファーの方には「マッチプレー」や「ステーブルフォード」のプレーがもっと気軽にゴルフを楽しめると思いますよ(^^)
たまには違うゲーム方式を採用して、ゴルフの新たな楽しさを発見してみては如何でしょうか?