プロゴルファーをサポートするツアーバンサービスのお仕事

2017年5月3日 |

皆さんこんにちは。
先日女子ツアーでのコーチングのためトーナメントの会場に出かけました。

以前にプロをコーチングすることについては書いたので、今回は華やかなトーナメントの裏側で我々コーチと同じく選手を支える、クラブメーカーの活動をご紹介したいと思います。
もちろん取材協力はテーラーメイドゴルフさんです(^^)

◼︎ツアーバンサービスって?
トーナメントを観に行ったことのある方はご存知かもしれませんが、試合会場から少し離れたところに各クラブメーカーのロゴがラッピングされた大きな車がたくさん止まっているエリアがあります。
会場には各メーカーから2、3名のスタッフがこの車で乗り込んでいます。
主なお仕事は出場者が使うクラブの修理や調整と、ツアー会場でのプロモーションです。

まずクラブの調整は、選手によっては試合会場に合わせてクラブセッティングを変えたりします。例えば距離の長いコースではFWやUTを加えたり、あるいはグリーンが速いコースではウェッジのロフトを増やしたりソールを削ったりする事もあり、ツアーバンではそんな選手達のクラブのサポートをしています。
バンの中には使用中のクラブセッティングと細かなスペックが全て記載されたシートが貼ってあり(残念ながら写真NG)、万が一試合中にクラブが破損してもすぐに代わりのクラブが用意できます。
これ以外にもグリップやシャフトの交換もすぐに対応します。

もう一つの大切なお仕事はプロモーションです。これはゴルファーの憧れであるプロゴルファーに自社の製品を使ってもらい、フィードバックを魅力的な商品開発に役立てたり、使用クラブの変更を検討している選手や、自社の製品が気になっているプロに試合で使ってもらい、製品の良さを広めてもらう活動です。
前者のクラブの調整などはメーカーとの契約選手が主な相手になりますが、後者は契約外の選手でも必要に応じて製品を提供したりフィッティングのサポートをしています。

バンは通常初日の2日前、だいたい火曜日か水曜日に会場入りして、働いているスタッフの方は選手がスタートする朝7時前から夕方は作業を終える6時過ぎまで、コースや練習場とこのバンを行き来しながら働いています。
皆さんもご存知のようにプロのゴルフのツアーと言うのは北は北海道から、南は沖縄まで毎週場所を変えて行われるので移動だけでも大変な労力となります。九州や沖縄だと丸2日かけて移動するそうです(^_^;

◼︎ツアーバンの中には?
そんな仕事をするツアーバンは選手の要望に応えるために様々なものを積んでいます。
工具はもちろん、
クラブヘッド
シャフト
グリップ
さらにはキャップや、ボール、グローブ、キャディバッグなどのスペアもあります。

忘れ物をしても安心です(笑)
余談ですがテーラーメイドゴルフは日本の契約選手が海外のメジャートーナメントなどに出場する場合は、全く同じスペックのスペアクラブを持って選手に同行されるそうです。
万が一ロストバゲージでクラブが試合会場に届かなかったり、運搬中にキズや破損があった場合でも、選手が試合に集中できるようにしているそうです。手厚いサポートですね〜。

◼︎スタッフの皆さん
今回取材に協力していただいたのは、テーラーメイドゴルフでサービススタッフを担当している鵜野さんと戸張さんです。
鵜野さんは女子ツアーの担当になる以前はティーチングプロの担当をしていただいて私たちGEN-TENのスタッフもみんなお世話になりました。

Q:仕事中で大変だと感じることはありますか?
A:男子プロの場合は、道具に詳しい人が多いのでプロの細かな要望に応えるのに苦労するときはあります。女子プロの場合は逆で、男子に比べるとクラブにそんなに詳しくないのでフィーリングや調子などをヒアリングしてこちらから提案をしてセッティングを決めていく事が多いです。なので選手の結果が悪かったりすると「クラブが悪かったのかも」と不安になります(苦笑)
Q:お仕事の中で気をつけていることは?
A:出しゃばり過ぎないことですかね。僕らはクラブメーカーの担当なので、クラブのこと以外は基本的にアドバイスしたりしないように注意しています。自分が言った一言で選手が調子を崩したらと思うと怖いです。そういう事はコーチにお任せです(笑)
あとはたまにフラっとバンに来て昼寝をしたり、お喋りだけして帰る子もいます。試合会場では沢山の人に見られますし緊張が続くので、リラックス出来る場所になればいいなーと思っています。
とにかく主役は選手なので、彼女たちがベストな状態で試合に臨めるように心がけています。

Q:仕事の楽しみはありますか?
A:日本全国行けるので食事は楽しみですね。と言っても朝は早いからコンビニですし、昼間も食事で抜けたりできないので、夕食だけは土地の名物を食べに行ったりします。たまに選手と一緒に食べることもあるので、そういうコミュニケーションも楽しみですね。
しかし何と言ってもやっぱり契約選手が活躍してくれるのが一番楽しみです。いつも結果を見ていますし、初優勝の涙でもらい泣きした事も何度もありました(笑)やっぱり一緒に戦っているというか、シーズン中は毎週ずっと一緒にいるし、家族のような存在なので活躍は嬉しいです。

ゴルフは道具を使うスポーツですから、プロも我々と同じようにクラブに愛着やこだわりがあります。それをサポートするお仕事は特殊で我々のゴルフに参考になるか分かりませんが、テレビで目にする華やかな選手の活躍の裏にはこういう方達のサポートもあるんだなーと思うと、観戦も楽しみになりますね(^^)

GEN-TENでもコーチたちがテーラーメイドゴルフさんのフィッティング研修を受けてクラブのアドバイスも行なっているので、メンバーの皆さんのクラブについてのご相談はコーチへお願いします(^^)

ご予約はこちらから

この記事を書いたのは

大矢 隆司

大矢 隆司

1980年7月15日生まれ
15歳で単身オーストラアへゴルフ留学Hills Golf Academyで3年間ゴルフを学ぶ。
その後大学在学中にティーチングライセンスを取得しゴルフコーチとして仕事を始める。MBA(経営学修士)のキャリアも持つ異色のゴルフコーチ。
2005年にGEN-TENの設立。現在はディレクターとしてレッスンプログラム開発と組織運営を担当。趣味はゴルフ旅行(スコットランドトリップアメリカトリップ

ゴルフコーチ(USGTF)
メンタルフィットネストレーナー(NESTA)
ゴルフコンディショニングスペシャリスト(NESTA)
ゴルフフィットネストレーナー(JGFO)

Director’s note」を通じて私達が提供するゴルフコースレッスンというサービスについて1人でも多くの方に興味を持っていただけたら嬉しいです。
ゴルフ&ウェルネスツーリズム「The Golf Retreat」も主宰。
大矢隆司 公式ブログ(takashioya.com)

週間アクセスランキング

  1. 2023年新ルール知ってますか? 559ビュー
  2. 新ルール「ドロップしたボールが止まった場所&救済を受ける際のボールの変更について」 323ビュー
  3. ウォーターハザードとラテラルウォーターハザードの違い 143ビュー
  4. そのユーティリティの構え方と打ち方で合ってますか?FP値(フェースプログレッション)を知って苦手克服 103ビュー
  5. キャディバックの持ち方 100ビュー
  6. 「スプーン」は必要?!3番ウッドについて考える 78ビュー
  7. ゴルフ 左足上がりのアプローチは2通りの打ち方で対処! 77ビュー
  8. グリーンの硬さ気にしてますか?!硬さを測るコンパクションメーター(土壌硬度計)について 75ビュー
  9. サイクロイド曲線を描くゴルフスイング 75ビュー
  10. レイドオフが正解?迷ったらスイングのグラデーションで整理してみましょう 74ビュー

過去7日間にページビューの多かった記事を表示しています。これを見ると「GEN-TENの原点」の読者のみなさんがどんな記事に興味があるかわかってしまいますよ

記事を検索

to top
ページの先頭へ戻る