本記事は月刊カジュアルゴルフに寄稿した記事に加筆して掲載しております。
スロープレーは「マナー違反」と思っている方がいるかもしれませんが、実は「ルール違反」です。
ルールブックでは規則6-7「不当の遅延;スロープレー」という項目に該当し、これが守られなかった場合は本来ペナルティが課されます。
プロやアマチュアの正式な競技でペナルティの対象となる目安として、
①前の組と1ホール以上の間隔が空いてしまっている
②前の打者が打ってから、自分が打球するまでに40秒以上がかかる
③ティーショットのオナー、第2打、第3打地点の最初の打者、グリーン上で最初にパットする打者で、競技可能な状態から1打に60秒以上かかる。
④紛失球を5分以上探している。
以上に該当するとルール上の遅延プレーと見なされ警告や罰が加えられる場合があります。
プライベートラウンドでも「ベストスコア更新!」と思っても、それがスロープレーの上であれば後味の悪いものになってしまう可能性もありますから、気持ちよくゴルフを楽しむために、今回はプレーのペースを早めるためのポイントについて書いてみたいと思います。
では早速、原因を探るためにプレーの時間を分解してみましょう。
プレーの時間は主に、
1.)プレーの時間(Reading,Thinking,Hitting)
2.)移動の時間
3.)待ち時間
に分けられます。
待ち時間はコントロールすることが出来ませんから、1.)と2.)が我々が管理できる時間です。
まず2.)の移動時間ですが、例えばレギュラーティーからの平均距離を約6030ヤードとした場合に、ウォーキング程度の速度(6km/h)で移動にかかる時間は合計で54分(3256秒)になります。
ホール間のインターバルをスルーザグリーンの幅と仮定して40Y×17ホールで680Y(約612m)を乗用カート(8km/h)に乗って移動すると約10分が加算されます。これで移動の時間は合計で64分程度と推定できます。
一般的に理想と言われる18ホール4時間を目安とすると、移動時間を除いた時間18ホールで176分がプレイヤーに与えられた時間で、これを1人当たり換算するとプレー時間は1人44分となります。
もし、スコア100のプレイヤーが4名でプレーしたと仮定すると1打に与えらた時間は「26.4秒」となりますが、スコアの中には1m以下の2,3秒でタップインしたパットや、ペナルティも1打にカウントされますから、実際にはグリーンに乗るまでのショットには平均で約30秒〜40秒を費やせることになります。
これが1.)のプレーの時間(Reading,Thinking,Hitting)に当たります。
①残り距離やハザードの位置、風向きなどを読む時間(Reading)
②狙いを定めてクラブを選んだり、スイングの目的を決める(Thinking)
③素振りや、プレショットルーティン
④ショットからフィニッシュをとってボールを追っている時間
などがプレーの時間に含まれます。
では、これらの前提に基づいて、次回はスロープレーを防ぐための具体的な対策について考えてみたいと思います。