1月の後半お休みをいただいて、フロリダに行ってきました。1月26−29日に開催されたPGAマーチャンダイズショーの取材に行きました。1,100を越える27カ国の企業や団体が出展して、4万人が集まる、アメリカのゴルフ業界では1番大きなイベントです。
毎年1月の終わりに、フロリダ州オーランドにあるOrange County Convention Centerという会議場で開かれます。アメリカで2番目に大きな会議場だそうですが、これがまじで巨大でして、グーグルマップで調べたら、建物は奥行きが200m、幅は900mありました。3フロア吹き抜けで、奥行き100m X 横幅いっぱい900mのエリアが、体育館のようにだだっ広いスペースになっていて、そこに1,000を越えるブースが並びます。ショーが始まる前日に、ホールの中央を抜けるスカイブリッジから撮りました。まだ会場はひっちゃかめっちゃかですね~(^^)
ショーに参加できるのは、米国PGAのメンバーとそのゲスト、ゴルフ業界の関係者、そしてメディア関係者に限られます。参加費は無料です。あらかじめオンラインで登録をし、ショーの初日に受付で名札を受け取ります。
1日目はDemo Dayです。会議場から車で30分ほど離れたところにある、これまた巨大な練習場で、試打会や屋外で使う製品の展示が行われます。今回は、オープニングにババ・ワトソンが来ていました。
練習場は直径520ヤードの円形でして、外周に打席があり、中央に向かって球を打ちます。デモデイには、1.5kmの円周上にクラブ、シャフト、グリップ、スパイク、練習機器など、ありとあらゆるゴルフグッズのメーカーのテントがずらりと並び、打席から試打が出来るようになっていました。
ぐるりと一周している最中、コブラの試打エリアでアイアンを打っている男性が目に留まりました。やけにスタイルが良くてシャープなスイングをしてるなあと思ってよく見たら、ヤスパー・パーネビックでした。またさらに歩いていくと、聞き覚えのあるアクセントのある声がスピーカーから流れて来ました。近づくとバンカー用の人口砂のメーカーで、アニカ・ソレンスタムがバンカーショットのデモをやっていました。そのちょっと先では、ブッチ・ハーモンがゴルフチャンネルのインタビューを受けていました。プロモーションのためにやってきた有名人があちこちに出没するので、見物といえども気が抜けません。
屋根付きで野外ステージのような施設がいくつかあり、そこではヒットマンと呼ばれるゴルフ大道芸人が曲芸をやったり、「ティーチャーオブザイヤー」に選ばれたPGAプロが、実際のレッスンを披露するクラスを開いたりします。私はまじめな有料クラスの1つ、デビッド・レッドベターのA Swing(エイ・スイング)のセッションを受講しました。受講の様子や内容は、「A Swingについて語りたい!」のコラムをお読みくださいね☆
2日目からは会議場に場所を移し、3日間にわたって展示会が行われます。クラブ、シューズ、アパレル、ジュエリー、バッグやタオルなどのアクセサリー、カート、練習場器具、ティマーカー、スコアカードのメーカーなど、ゴルフに関連するさまざまな企業や団体が出展します。変わったところでは、料理用ナイフ(コースのレストランで使うから)や、すっごく美味しいビーフジャーキー(オーナーが元々ゴルフ場に勤めていたから)のブースがありました。
展示場はとにかく大きいです。途中で興味のあるお店に入って少し話を聞いたりはしましたが、ぐるりと一通り歩いて回るだけで、4時間かかりました。
多くのアパレルメーカーのブースでは、コースのバイヤーが打ち合わせをしている姿が見受けられました。リゾートコースやプライベートコースでは、ロゴ入りのアパレルやアクセサリーが売られています。バイヤーはショーに足を運び、来季の新しいデザインのサンプルを実際に見ながら、担当者と商談をします。
テイラーメイドのブースでは、大きなスイング練習機を見つけました。
クラブがどの軌道を通るのが正しいのか、自分の後方にクラブが回ってるときは見て確認できないので、こんなのあったらいいなあと前から思っていましたが、実際に見てビックリ。機械を試した男性が、「ワオ、こんなに上半身を回すのか!」と言っていました。
コースのプロショップ経営者たちは、このイベントに大いに利用価値を感じていると思います。定番のゴルフグッズを仕入れるだけでなく、発明品の小物やアイディア商品などを掘り出せるかもしれません。例えば日本から来たバイヤーさんが、まだ日本に上陸していないブランドを気に入ったら、その場で商談をすることもできます。
プロは、今年はどのメーカーの鼻息が荒そうだなとか、何色が流行りそうだとか、どんなグッズに注目が集められているのか、など全般的なトレンドを把握することができますし、一同に集まった新製品を試すこともできます。また、練習ギアやスイング解析ソフトの製品を試して、気に入ったらその場で買うこともできます。前回はV1 Sportsのソフトを買いましたが、今回はエプソンのM Tracerのブースに行ってみました。
小さなディバイスをシャフトにつけて球を打つと、スイングデータがスマホに送られ、解析ができるというものです。ミズノやブリジストンのフィッティングにも使われているそうです。エプソンのブースに行って実際に球を打って、解析ソフトを見せてもらいました。その日はエプソンの開発者の日本人の方がいらしたので、その方に直接ソフトの使い方を詳しく聞くことができました。これを使ってA Swingが習得できているかもチェックできちゃいますね。すっかり気に入ったので、買いました☆
いっぽう展示場の階下、ひっそりと人気のない一画に小さな会議室が10個ほどありまして、期間中はPGAメンバー向けの有料セミナーが開かれます。マーケティング、ティーチング、ルール、運動理論など、約40の講習を受けることができます。米国のPGAメンバーはゴルフ業界に貢献するべしというポリシーのもと、ポイント獲得が義務づけられていまして、地元のPGAのミーティングに出席したり、トーナメントのボランティアをやったり、教育を受けたりすることでポイントが与えられるしくみになっています。このショーでは集中的にセミナーを受けることができます。華やかなイベントはプロにとっては勉強の場でもあります。
ショーに参加するのは6年ぶり2回目でしたが、あらためてアメリカらしい大規模で派手なイベントだと思いました。また機会があれば、リサーチ&避寒のために参加したいと思います☆