前回の記事でSG(ストロークゲイン)指標とは何かをパッティングを例にして説明しました。
今回は第2回目です。
この指標を皆さまの上達に役立てる方法を考えてみます。
■SG指標を練習に活用する
さて、これまではプロゴルファーの数値を基準にSG指標を説明してきましたが、いよいよ本題に入ります。
この指標はアマチュアゴルファーの上達に活かせるか?という事ですが、これはYESです。
まずは第1回の冒頭に書いた「どんな課題に優先的に取り組めばいいのか?」「どの練習に最も時間を割けばいいのか?」という点から見ていきましょう。
まずは「プロとアマの距離毎の平均パット数」をグラフにしてみました。
当然のようにプロの方がアマよりも長い距離でもパット数が少ない事が分かりますが、よーく見ると所々で差が大きなところと小さな所があるのが分かります(@_@)
そこで距離毎のパット数の差をグラフにしてみました。
如何でしょうか。グラフから5-6ft(約1.5m〜1.8m)で差(山)が大きくなっているのが分かります。
逆に短いパットや、20ft(約6m)前後のパットは差が小さくなります。そして40ft(約12m)くらいからまた差が大きくなりますね。
「理想」−「現状」=「課題」と考えると、皆さまが最も練習すべきパットの距離は1.5m-2mのショートパットと、12m以上のロングパットという事になります。
このショートパットを1パットで沈める、あるいは10m以上を2パットで上がる回数が増えると、それは価値ある1打にカウントされ、積み上げてスコアが良くなり、プロのパッティングに近づく事が分かります。
ではグリーン外のショットではどうでしょうか?
指標はターゲットに対してのボールのバラツキです。この指標は「打った距離」と「残った距離」で算出できます。
差を見るためにグリーンオンする境界がどこかを確認してみました。
日本では平均的なグリーンの広さが約700㎡と言われていますから、縦横約26.5m(29ヤード)が標準です。
その結果、平均的なアマは例えば140Yのショットをした場合の精度は15Y(50ft)で、半分以上の確率でグリーンに乗らない事になります。プロは平均6yに寄るのでここでパット同様にスコアに大きな「差」が生まれてくるのが分かります。
参考までに精度差の大きさがどれくらいかをグラフにしています。平均的なプロに比べて何倍くらいターゲットから遠ざかるのかを表しています。
このグラフから我々は110y以上になるとプロの打ったボールよりも2.5倍以上ターゲットから遠ざかる事が分かります。
150ヤード以上の距離では差が更に開きますが、これを価値ある1打に変えるためには精度以外に体力やクラブなどの要因が関わりそうなので練習に活かすという観点から今回は除外しました。
■練習方法のまとめ
これまでの話をまとめてみると、
1.)パッティングは2.0m以内のショートパットと、10m以上のロングパットを徹底的に
2.)ショットは110y以上を徹底的に
3.)飛距離アップも効果的
という感じです。
3.)はこれまでに出てきていない論点ですが、これまでに見てきたグラフから残り距離が少ない方が平均的にターゲットに寄る確率が高くなる事が分かります。
という事は、ティーショットを飛ばせるプレイヤーの方がスコアに有利である事が分かりますね。
ツアーのスタッツを見ていても距離が出るプレイヤーが上位にランクインされているのも納得できます。
そして、最後にこれまではプロとアマを比較して差を見てきましたが、アマ同士でスコア80、90、100のゴルファーの平均パット、ショット、ティーショットのSG平均値を比較すれば、それぞれの差がスコアを10打縮めるために必要な要素という事が分かります。
それは以下の通りです。
ゴルフはショートゲームが7割と言われているのは合計スコアの内100y以内のストローク数の割合であって、スコアへの影響度という観点でみればロングゲームが7割なる事が分かります。
以前にも「リッキオの法則」で『100を切るまではロングゲームの練習を多く』と書きましたが、SG指標からも100を切るまではスコアの70%以上がロングゲームの影響である事が分かります。
■コースマネジメントに活かす
その他にコースマネジメントにも活かせるデータが沢山あるのですが、どこかのタイミングでこの記事に加筆する事をお約束して、スミマセンが少しお待ち下さい(^^;
SG指標はGEN-TENのコーチも一部のレッスンに取り入れているので興味のある方はレッスンでご質問ください(^^)