皆さんこんにちは。
先日レッスンをやっていてこんな質問を受けました。
「バックスイングは”ゆっくり大きく”がいいんですよね?」
確かに多くのレッスン書には「バックスイングはゆっくり上げる」と書かれています。
これは本当に正しいのでしょうか?
まずはイェール大学のロバート·D·グレーバー氏が行ったスイングテンポに関する実験を見てみました。
この実験は、ツアープロ、上級アマチュア、一般アマチュアのスイングデータを計測したもので、シャフトにモーションセンサーを付けてスピードを計っています。
それによるとツアープレイヤーのバックスイングは0.6秒から0.8秒で完了するのに対して、上級アマチュアは0.7秒から1秒、一般アマチュアは0.7秒から1.2秒かかっている事が分かりました。
この測定の結果、プロに対してアマチュアゴルファーはバックスイングにかける時間が平均で1.2倍以上で、バラツキが大きい事が分かりました。
ですからアマチュアゴルファーのバックスイングは決して速くないのでほぼ全ての人が「ゆっくり」にしなくても良いのが分かります。
そしてもう一つ分かったのは、ツアープレイヤーは打つ距離に対してバックスイングの時間はそれほど変わらないという事です。もう一つの実験で体の回転(回転が増えるほどスイングは大きくなる)に対して、バックスイングの時間を調べたところほぼ変わらず、これは大きなスイングも小さなスイングもスイングのテンポは同じという事を意味します。
短いアプローチショットも、長いドライバーショットもほぼ同じ時間をかけてバックスイングしており、バックスイングの時間と飛距離とは無関係という事になります。
そして動かす距離が短くても時間が変わらないという事なので、アプローチのように短い距離ほどクラブを動かすスピードがゆっくりになり、フルショットのようにバックスイングが長くなる場面では逆にクラブを速く動かしているという事になります。
如何でしょうか?
もちろん個人差がありますが「バックスイングをゆっくり上げる」というアドバイスが完全な間違いとは言えませんが、アマチュアゴルファーのフルスイングには当てはまらない可能性が高いのは分かりますね。
スイングについてのレッスンを受ける際にクラブや体のポジションについてはビデオなどで可視化しやすい部分ですが、テンポやスピードというのは非常に抽象的で分かり難いパートです。
皆さんも自分のスイングにについてチェックしてみてくださいね(^^)