Lou Riccio氏をご存知でしょうか?
マニアックな方は『リッキオの法則』で記憶しているかもしれませんね。
『リッキオの法則』とは一般的なアマチュアプレイヤー(スコア100-110程度)から、PGAのプロまでを含めたゴルファーを対象に、スコアに最も影響するスタッツ(統計値)を研究した結果、Greens In Regulation(パーオン率)が最もスコアに影響すると結論付けました。
更にRiccio’s Ruleというスコアとパーオン率の相関についても述べており
18ホールのスコア= 95 -(2×パーオン数)という数式を導きだしました。
参考までに並べてみますと…
スコア95→GIR数0
スコア93→GIR数1
スコア91→GIR数2
スコア89→GIR数3
スコア87→GIR数4
スコア85→GIR数5
スコア83→GIR数6
スコア81→GIR数7
スコア79→GIR数8
スコア77→GIR数9
スコア75→GIR数10
スコア73→GIR数11
スコア71→GIR数12
つまり『リッキオの法則』によると80台でプレーするにはパーオン数が最低でも3つ以上、70台でプレーするためにはパーオン数が最低でも8つ以上必要というわけです。
PGAツアーのスタッツを見ると、トップ選手がパーオン率が「約72.4%(約13個)」で、平均ストロークが「68.9」でした。これを見るとこの数値の相関が分かりますね。
そこで一つ疑問が出てきます。ゴルフは100y以内のストロークがスコアの約70%を占めると言われていて「スコアアップにはショートゲームだ」と信じる人が多いですが、それは間違いなのでしょうか?
実はこの「スコアアップにはショートゲームだ」という論理を支えているのは、ツアープレイヤーとアマチュアゴルファーのSCRAMBLING(グリーンを外した時にパー以下でプレーする確率)のギャップです。
ショートゲーム専門のゴルフコーチDave Pelz’s氏の研究ではハンディキャップ20のアマチュアゴルファーのSCRAMBLINGは約10%、ハンディキャップ10のプレイヤーでも20%に満たないという検証結果を出しています。
ちなみにツアーのトップ選手のSCRAMBLINGは69%です。もし彼らがGIR数0でプレーしても12.6ホールをパー以下で回ってくる計算です。そうするとスコアは+5.4以下になり理論上は77.4でプレーする計算になります。
要するにGIRとSCRAMBLINGにおけるアマチュアとプロの差を見た時に、差が大きいのはGIRよりもSCRAMBLINGなのでアマチュアはショートゲームを頑張るべし!という事ですね。
更に言えば、GIRを上げるにはドライバーでグリーン近くまでボールを運ぶ「飛距離」とフェアウェイをヒットする「正確性」も求められます。これはフィジカルの強さなども影響するのに対して、アプローチやパットは身体能力の影響を受け難いのでアマチュア向けのスコアアップ術と言えるでしょう。
ちなみにいちコーチとしての個人的な意見は、100を切るまではロングゲームをしっかり、100を切れるようになったらショートゲームをしっかりやるとスコアが順調に縮むと思っています。(理由は会った時に聞いてくださいw)
もちろんゴルフには得手不得手や、好みのプレースタイルもあります。
こんな風にゴルフを研究した人々のデータを参考にしながら、ぜひスコアアップに必要な練習に取り組んでみてくださいね。