ゴルフにおけるメンタルの重要性

2012年12月26日 |

「ゴルフはメンタルのスポーツだ」こんな言葉を耳にした事がある方も多いと思います。
今回のコラムではゴルフコーチの視点で、メンタルがプレーに及ぼす影響と、どうしたら良いメンタルを良いパフォーマンスに結びつけられるのか?という点について書いてみたいと思います。

ゴルフはメンタルスポーツの代表と言われ、他のスポーツに比べてもメンタルがプレーに及ぼす影響についての研究が盛んです。中でもゴルフの場合はスイングという同じ動作を繰り返す事が重要であるため「いかなる精神状態でも同じようにスイングできる」という事に焦点がおかれます。

例えば池越えでも、バンカー越えでも、OBが迫っていても、ベストスコア更新をかけた場面であっても、スロープレーにイライラする場面でも、練習場で打てるナイスショットと同じスイングが出来ればスコアは良くなります。
要するに緊張や重圧がかかるシーンでも同じようにスイングするメンタルタフネス(心の強さ)が求められるという事です。

昔スポーツ心理学者のDr. Noel Blundell(ノエル・ブランデル博士)のセッションに参加させてもらった事がありました。ブランデル博士はSandy Lyle , Bill Rodgers , Karrie Webb , Robert Allenbyなどのメンタルコーチとして有名ですが、彼は特にプリショットルーティーンの重要性について話しています。

エリートプレイヤーが最高のパフォーマンスを発揮する状態で脳波がどのように作用するかを調べ、その脳波の状態を一定の行動によって作り出すのがプリショットルーティーンです。
Pre shot routineとは「打つ前の儀式」の事で、例えば[素振り]→[エイミング]→[セットアップ]→[ルックアップ]→[ワッグル]→[スイング]というように打つ前の動作を固定し、この動作の中で集中を高めていきます。さらにこの研究の中でターゲットスポーツにおいてはボールに集中するよりも、目標(ターゲット)に集中する方が最高のパフォーマンスに近づく事も分かっています。
これは「感情は行動に出る=感情→行動」という考えをもとに、「行動を変えれば感情が変わる=行動→感情」という作用を利用するもので、前回大塩プロがコラムで書いていた「笑顔スイッチ」なども代表的ですが、緊張状態でも笑顔を作る事で緊張を和らげる効果があるのと同じです。

メンタルというと自分に「緊張するな」と言い聞かせたり、「リラックスするために深呼吸」などの対処法が思い浮かびますが、ゴルフではどんな状況であってもいつも同じプリショットルーティーンを行う事がメンタルの強さという事になり、これよって緊張を集中に変える事ができるという考え方が今のところ主流です。

如何でしょうか?きっとほとんどの方が「分かってるんだけど出来ないんだよねー」と感じたと思います。
安心してください。皆さんだけじゃなく、私達も同じです(笑)

ただ一つの「実証されているおまじない」程度に覚えておくといいと思います。
ちなみにGEN-TENでは研修でルーティーンについての学習もしていますので、もし興味がある方は受講の際にコーチにリクエストしてくださいね。

 

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この記事を書いたのは

大矢 隆司

大矢 隆司

1980年7月15日生まれ
15歳で単身オーストラアへゴルフ留学Hills Golf Academyで3年間ゴルフを学ぶ。
その後大学在学中にティーチングライセンスを取得しゴルフコーチとして仕事を始める。MBA(経営学修士)のキャリアも持つ異色のゴルフコーチ。
2005年にGEN-TENの設立。現在はディレクターとしてレッスンプログラム開発と組織運営を担当。趣味はゴルフ旅行(スコットランドトリップアメリカトリップ

ゴルフコーチ(USGTF)
メンタルフィットネストレーナー(NESTA)
ゴルフコンディショニングスペシャリスト(NESTA)
ゴルフフィットネストレーナー(JGFO)

Director’s note」を通じて私達が提供するゴルフコースレッスンというサービスについて1人でも多くの方に興味を持っていただけたら嬉しいです。
ゴルフ&ウェルネスツーリズム「The Golf Retreat」も主宰。
大矢隆司 公式ブログ(takashioya.com)

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