最近の傾向として来春のゴルフクラブの発表に先駆けてシャフトメーカーは秋に新製品を発表する事が多くなりました。そこで私も先日リシャフトをしました。
リシャフトというのはゴルフクラブのシャフトを交換するチューニングの事です。
クラブを購入するとメーカーの純正シャフトが装着されていますが、自分のスイングや好みに合った特性のシャフトに交換すると飛距離が伸びたり、方向性が良くなったりする効果があります。
最近のゴルフシャフトは劇的な技術革新が行われており、新素材を使ったものや、航空宇宙技術を取り入れたようなものまで様々です。現在シャフトの主流はカーボン素材のものですが、カーボンシャフトはマントルと呼ばれる芯軸に超極薄(0.1mとか0.2m)のカーボンシートを何重にも撒いて作られています。そのカーボンシートの特性や強度、巻き方などで様々な特徴をもったシャフトが作られているんですが、主要メーカーが出すものだけでも数百種類のシャフトがあり、自分に合ったものを選ぶのは至難の技です。
とは言ってもゴルフは道具を使うスポーツ。自分に合った道具を見つける能力もスコアアップに繋がるスキルの一つという事で、今回はリシャフトについて基本的な事を少し書いてみたいと思います。
1.自分の打ち方やヘッドスピードに合った物を選ぶ
リシャフトをする際にはまず今持っているクラブでヘッドスピードやスピン量、打ち出し角などを計測します。自分はどんな弾道が出易いのか(現状)、どんな弾道を目指しているのか(理想)を確認しましょう。スイング作りでもクラブ選びでもまずはこの「理想と現実のギャップ」を知る事が大切です。
例えば「飛距離UP」を目指したい人のリシャフトであれば、ヘッドスピードを上げる特性があるものや、ボールの打ち出し角度が増えるもの、スピン量が少なくなるもの等が候補に挙がります。カタログで自分の理想に近づくようなモデルを選んだら、気に入ったモデルの中から重さや硬さを選びます。私もミーハーなのでタイガーやマキロイが使っているシャフトが正直気になる事がありますが、彼らが使うモデルのほとんどはボールを上がり難くする特性を持つものや、捻れ(トルク)が少なくフックが出にくくなる(スライスが出易い)特性のものが多いので、アベレージプレイヤーの方がリシャフトを検討する際にはそうしたミーハー心を抑える事も重要なポイントになるかもしれません(笑)
2.他のクラブとのバランスも考える
また弾道の悩みはシャフトを一本変える事で解決するわけではありません。スイングはROI(慣性モーメント)の組み合わせで動いていますので、全てのクラブを同じようにスイングするためにはドライバーからウェッジまで適正な重量フローである事が重要です。基本的にゴルフクラブを同じ感覚で振る為には長いクラブほど[軽く:柔らかく]、短いクラブほど[重く:硬く]なるようにフローしていく事が大切です。購入したノーマルの状態であればこのようにフローしている事が多いのですが、チューニングをするとこのフローがバラバラになってしまう事がありますから注意しましょう。ドライバーが良いけどフェアウェイウッドが悪い、ウッドは良いけどアイアンは悪いというような症状はクラブの「重さ」や「硬さ」「特性」が揃っていない場合があります。
3.信頼できるショップでチューニングする
クラブのチューニングはショップに頼む場合が多いと思いますが、出来るだけ「仕上がりがキレイ」で「親身にアドバイスをしてくれる」お店に依頼しましょう。
シャフトはとてもデリケートなパーツです。同じヘッドとシャフトを組み合わせても挿し方ひとつで全く違う性能になるので、クラフトマンはそうした繊細な作業が出来る人が良いと思います。私個人の経験から言うと組み上がったクラブの特に接合部分(ソケット周り)がキレイなのは最低条件です。あと親身に相談に乗ってくれるクラフトマンがいいです。「どんなクラブを使っているか」「ゴルフ歴やスコア」「よく出るミスや球筋」などを聞いて専門家としてのアドバイスを与えてくれる人はプロの仕事をしてくれると思います。信頼できるショップや工房を探すことは、簡単ではありませんが良いクラフトマンとの出会いはきっと私達のゴルフライフをもっと楽しくしてくれますよ(^-^)
発売されているシャフトの種類は年々多くなっています。自分にピッタリのクラブに組み上げるのは運命の人に出会うような確率にも思えますが、大切なのは納得して使う事だと思います。
シャフトは高価なパーツなので、納得いくチューニングをしたいものですね。
主要シャフトメーカーのHPリンク一覧:
グラファイトデザイン→
トゥルーテンパー→
日本シャフト→
フジクラシャフト→
三菱レイヨン→
USTマミヤ→